パッシブデザインとの出会い

Kiya Styleでは、長期優良住宅を標準採用しています。
長期優良住宅とする要件のひとつに省エネルギー対策等級4(最高等級)があります。
2020年には、その基準を満たすことが義務付けられます。
省エネルギー対策等級は、ほぼ断熱の基準が定められていると考えてよく、断熱性能を上げることはとても重要なのですが、これまで私たちはこの基準さえクリアしていれば十分だと考えてきました。


それは2012年のことでした。
ある勉強会に参加し、初めてパッシブデザイン協議会代表の野池政宏氏と出会いました。
「パッシブデザイン」という言葉もその時初めて聞きました。
それまで、パッシブデザインとは無縁の庇の無い、軒の無いデザインの住宅をつくってきた私たちには衝撃的な内容でした。
ただ、これからの時代を考えるとパッシブデザインの手法を取り入れることは、お客様にも社会にもメリットがあることを感じました。
新しいことにチャレンジするのは、時間とお金と情熱と信念と勇気が必要です。
ですが、チャレンジするだけの価値があると感じました。


そうしてパッシブデザインを勉強するうちに、
設計した建物の温熱計算を行い、通風計画も換気計算も行い、周辺環境がその敷地の日照にどう影響するかをシミュレーションすることで、実際に家を建てる前に、室温と光熱費のシミュレーションができる…。
そんなことがわかってきました。


また、パッシブデザインの設計施工を行うのは地域密着型の工務店が一番適しているということがわかってきました。
その理由のひとつは、その地域に暮らし、風土や気候を一番よく理解しているからです。
また、設計施工の両方を行う工務店であることで、設計側の意図を施工側がしっかり理解でき、適切なパッシブデザインの施工ができるからです。
さらには、逆に設計側が施工方法や仕様によるコスト把握がしやすいので、適正な工事価格が提示できます。
有名建築家の中でもパッシブデザインに取り組んでいる人もいるでしょうが、このような工務店の優位性を持っているとは考えにくいと思います。
また、大手住宅メーカーもパッシブデザインをアピールしていますが、こうした会社は基本的に規格型で全国画一的な住宅を販売しているので、本来のパッシブデザインはできないと思います。